■瀬踏み--新釈国語
2009-08-05


新しい事柄に着手する前に、ちょっとだけ試しに行って状況などを確かめ今後の戦略・戦術の参考にすること。瀬は川が浅く見えるところ、踏むは実際にそこへ行って何かをすることが原義である。元は川の浅く見える場所に実際に足を踏み入れて、そのまま川を渡っても問題が起きないか確かめることを指したが、人間が歩いて川を渡る機会が希となった現在では多く瀬を新しい事柄に見立てて、それへの対処法を探るために試行したり模索することを表す言葉となっている。
 瀬踏みの様子をつぶさに観察すれば、その人が新しい事柄をどう感じているか、どの程度に恐れているかなどを知ることも可能である。政権交代がささやかれる日本の政治状況に即していえば、例えば財界が今後の政治とどう向き合うかといった問題はまさに瀬踏みの最中にあると言えるだろう。
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