○かぼちゃ(1)--夏野菜
2009-07-01


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極東という呼称の由来を聞き、そう呼ばれる地域が地球上のどこにあるかを知れば、西瓜も南瓜も実に有意味な名称だと思うだろう。そして東瓜や北瓜が存在しないことも大方は想像が付くだろう。極東の東にはもう太平洋しかないし、北にはシベリアや千島列島など極寒の地しかない。植物の渡来があるとすれば、どう考えてもそれは西か、または南からということになる。実際ふたつとも、そうした歴史を背負った名称を付けられたのである。
 面白いのは西瓜が文字も発音も中国からの借り物であるのに対し、そう違わない時期に渡来したと思われる南瓜の方は何故か「ナンカ」ではなく「かぼちゃ」の方が普及したことである。いま日本語の中で語尾が「ちゃ」で終わる言葉と言えば、お茶に由来するものか、あとは「むちゃ」「くちゃ」「めちゃ」の類であろう。この呼称の源が「カンボジア」にあることは疑いないとしても、当時の人々の耳に聞こえたであろう音は「カムボヂャ」であり、やがて「ム」が抜け落ちて「カボヂャ」となり、さらに「ヂャ」が清音化して現在の「かぼちゃ」が出来上がったことになる。せいぜい400年かそこら昔の話だろうが、おおもとの選択理由が気になる。
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